協会について

会長挨拶

長野方星

2020年にヒートパイプ協会の会長を拝命いたしました,名古屋大学の長野方星と申します。大島耕一先生、小林康徳先生、前沢三郎先生、山本格先生、勝田正文先生に続く第6代会長となり,非常に身の引き締まる思いであります。また,会長交代に伴いまして,副会長や理事に新たな方々に加わっていただきました。新体制で本協会を盛り上げていきたいと考えておりますので何卒よろしくお願いします。

前会長の勝田先生におかれましては,長年のご尽力に心から敬意と感謝の意を表します。若手奨励賞や研究助成制度の創設などヒートパイプ若手研究者への支援や,当時非会員であった私のような者にも講演会での講演の機会をいただくなど,広い心でヒートパイプ協会の発展にご尽力されました。このように,諸先輩方の熱き想いと惜しみない努力によって,ヒートパイプ協会は35年以上続いてまいりました。先輩方の熱き想いを継承しつつ,この協会が持続的発展を遂げるには何をすべきか?現役世代の我々が果たすべき役割は大きいと考えております。

ここ最近のヒートパイプの世界的動向に目を向けると,一つにはスマートフォンをはじめとする小型機器への適用があります。1ミリ以下で数Wの放熱に薄型ヒートパイプやベーパチャンバーが今や当たり前のように搭載されつつあります。また,自動車分野においても電動化に伴い,自動車内の様々な部分にヒートパイプの適用が検討されており,今後の普及が期待されます。学術研究では,自励振動式や,気泡駆動型循環式など新しいヒートパイプの取組みや,沸騰・凝縮界面濡れ制御,ナノ粒子や多孔体による伝熱促進など,ヒートパイプ性能向上に向けた研究が活発に行われております。このように,ヒートパイプは姿や形を変えながら新たな段階へと発展し,国内に潜在するヒートパイプ研究開発者の数も増えているように思います。

このような現状に鑑み,本協会がより強化すべきアクションは以下であると考えます。

  • 日本のヒートパイプコミュニティの世界的プレゼンスのさらなる向上
  • 産業的ニーズと学術的シーズのマッチングを志向した交流機会の提供
  • ヒートパイプ関連研究開発人材の発掘と本協会への取り込み
  • 幻の名著である「実用ヒートパイプ」の第3版としての復刻と普及

これらの実現には協会員の皆様のご理解とご支援が不可欠であります。どうかご指導,ご鞭撻の程何卒よろしくお願いします。

日本ヒートパイプ協会 第6代会長
長野 方星 (名古屋大学)

役員